霊能者ヴォイス

ここではこれまで私が霊能者としてご依頼を受け体験したお話をしていきたいと思います。
繰り返しになりますが、『ご依頼者のプライバシーは守る』と言う事が大前提の事ですから、HP上で私自身の実話以外というのは難しいと考えていました。そういう中、これまでのご依頼者の皆様の中で私の体験でよければ・・と言ってくださる方も多く、お話する事となりました。
その皆様は自分もその時は本当に困っていて、その具体的な体験談を見て今、苦しんでいる方のきっかけになれるならと・・是非にと言ってくださいました。霊視の世界の扉を開ける・・霊能者のところを訪ねる・・この勇気がどの位のことなのかは私よりご依頼者の方々の方が良く分かっているわけですから。勿論、すべて解決済みでご本人のご了承を得ている件に関してご紹介していきます。

初回の今回は、土地に関わるお話から・・。

ご依頼者のAさんは当時ある会社の経営に携わっていました。その会社の本社ビルにまつわる相談です。ある日の夜、私が自宅のベッドで休んでいると冷気が体に近付いて来ました。時刻は午前1時過ぎ頃だったと思います。『何か来た』と警戒していると細身の女性が立っています。そして寝ている私に頭を下げるのです。
「どなたの関係ですか?」と尋ねましたが返事はなく、ただまた頭を下げるのです。その時手がけている霊視関係の霊が尋ねてきたりする事もありますのでこの事自体はそれほど驚いてはいませんでした。暫くするとその女性は消えてしまいました。私は取り合えず寝る事にしました。

どの位立ったでしょうか・・。どこからか「カチャカチャッ」と金属の音が聞こえてきます。「何かしら・・」と思った時、私は下腹部に激痛を感じました。その時私は自宅のベットでなく別のベッドに寝かされている感覚に気が付きました。金縛りとかではなく麻酔がかかっている様な感覚です。
また激痛が・・。それが物凄い痛さで・・気が遠くなりそうな痛さなのです。産婦人科です。あの産婦人科の診療台に寝かされているのです。カチャカチャという金属音はその器具の音です。私も女性ですから産婦人科の検査等の経験もありますが、何回行っても中々慣れるのもではありません。女性なら解って頂けると思いますが・・。
そして、はっきりと分かるのです。冷たい金属器具の感覚、下からお腹の中をかき出されるような感覚と痛み・・。もう現実でなくても地獄です。いつまで続くのか・・。気を失ったように何回かなりながらもその地獄は続きました。

スーッとその感覚が遠ざかり、何とも惨めな虚脱感と疲労感が襲って来て何故か涙が溢れてきます。するとあの女性が傍に現れました
私が今味わった地獄はこの方の事なのだと・・。何か伝えたい事があるはずです。
「お名前は?」と聞くと「○○です。」と返事が返ってきました。
「どうしたのですか」と尋ねても頭を下げるばかりです。「お願いします」と最後にまた頭を下げその方は消えていきました。今、手掛けている依頼ではない・・新たに来る方の関係。そう直感しました。

翌日と言うかその日のお昼頃、電話が鳴りました。タイミングよく私はその電話に出る事が出来ました。ご依頼は通常はオフィスの受付を通して頂くのですが親しい方のご紹介と言う事もあって直接私に電話をしてきたのです。大まかなお話を聞き、『この方の関係だ』と判断した私は出来るだけ早くお逢いした方が良いと思いました。これもまたタイミングよく、翌日はスケジュール調整がきき、会えることになったのです。私はあえてタイミンク良く・・と表現していますがこれが見えない縁、引き合わせ・・と言う事です。反対に中々お逢いできないご縁の方もいますし・・。
ともあれ、こうしてAさんにお逢いする事となり、真っ先に昨日の出来事に心当たりはないか・・と尋ねました。当然彼女は違います。私のところにいらしたのは『霊』ですから・・。
すると、彼女は「あります!名前は分かりませんが・・。」と驚きを隠せない様子です。聞いてみますと、何でも今本社ビルの立っている場所の以前の持ち主は、産婦人科の関係でかなり悪質な治療や、また女性を使ってのお金儲けを代々していたというのです。しかも、それは当然、そこに会社を移すまで知る由もなく、その土地にある程度腰を据えてきてから人伝に耳に入りことになったそうです。
とは言え、彼女の会社はそれなりに事業としては発展していました。では何故わたしの所にいらしたかというと、ある姓名鑑定の方に「会社が何か神仏に障っているようですから、一度専門の霊能者に視て貰った方が良い」と言われ、私の知り合いを通じて相談に来たのです。とは言えまさに「藪から蛇・・。」その時点では、そこまではっきり大事になるとはAさんも考えていなかったようです。
その日は一通り、経営や人事等の霊視鑑定も終え、お帰りになられました。次回までに本社写真等を用意してもらう事を約束して。

間を開けず、写真等ご用意頂き、お会いした時、Aさんが「知らべられる範囲で調べてみたら、○○さんと言うお名前の方がいました。」と報告するのです。
これもまた霊視という縁の不思議さというか・・必要な事・情報は無理そうに見えても判るという、入ってくるということでしょうか。写真を拝見して霊視の結果、大きな霊道が通っている、そしてまたその土地自体には「女の涙」「苦しみ」がうごめいている事。女性の苦しみと引き換えに栄えてきた土地だということが分かってきました。利用されるだけ利用され、悲しみの中で一生を終えていった沢山の女性たち・・。もっと以前には遊郭の様なものがあったということも分かりました。
彼女たちはAさんも女性という事もあって、何とかしてもらおうと・・必死だったのです。Aさんもまた、「縁の下の力持ち・内助の功・ナンバー2・・。」という様な性質を生まれながらに持っていて、私も霊視でも<特に女の方からは、誤解を受けてしまったり、妬まれたりし易い>と出ていました。

沢山の霊達は彼女を頼る反面、自分たちと同じ様に見えない所でも会社に尽くす彼女を助けたかったのでしょう・・。しかし、現実問題として、会社の移動はそう簡単に出来るものでありません。この場合の解決は、まず、私のところは来た、○○さんを呼び出し、上に、成仏出来る様に、浄霊・供養を行っていきます。その土地に、縛られる事のないように・・その時、同時に○○さんにお願いをしました。
一緒に連れて行ける方々も連れて行ってほしいと、その為の道案内もこちらでしますから一人でも多く一緒に上がってくださいと・・。悲しみと苦しみの中、果てしない時間、霊としてこの世に留まってしまうことになった女性たち・・。それでも皆、素直に成仏の道を選んでくれたのです。○○さんは最後の最後まで頭を下げてくれたのです。
同じ女性としてどんな思いで過ごしていたのかと・・思うと・・。
しかし中には話しが通じない方々もいました。結果、それは浄霊の中でも無にするという方法を取るしかありませんでした。そのままこの世にいても何もないのですから・・。

辛く、きついご依頼でした。精神的にも肉体的にも、また時間的にも・・。文章にすると淡々としていますが、書き尽せないものと時間があります。Aさんもこの間は婦人科系を崩し、私もまたその様でした。大事には至りませんが・・。その後会社は移転の時期到来までは、影響の出やすい役員のみ別の場所へ・幸い、霊道も期間限定で、抑えておく事も出来るケースでしたので・・。

そして、現在は別の場所に移転しています。今、以前にあった場所、土地はどうなっているのか・・分かりませんが、良い土地ではない事だけは確かでしょう。また、それらの女性たちを食い物にしてきた方々の家系の繁栄は残念ながら望めません。実は偶然にもその家系の方のその後を知る事になったのですが・・ここで書く訳にはいかないのです。気付いていらしてくれれば・・また、私ではなくても霊能者を通して、霊視の扉を開けてくれれば・・と思います。
まるでこの件の裏付けの様に知る事とはなりましたが、私とはご縁がない様ですし、また信じる事、霊視の世界を感じる事もないのでしょう。ただただ、今の苦しみから逃れる為、見えるものだけを信じて、生きていくのでしょう。仕方ありませんね。

ともあれ、Aさんからのご依頼はこうして終える事となりました。一生懸命な人が損をしてしまうようにも思われがちな現代。私はちなみにこのAさんがとても好きです。仕事に、人に、そして霊に対して損得ではなく、心から一生懸命取り組んでいくような生き方が出来る彼女はこれからも人として輝いていくはずです。
その為に私が役に立てるなら、それはまた嬉しい事でもありますし・・。
今回のお話はこれまで・・。